告知していましたように、昨日8日、ピエモンテ州ロエロにあるモンキエロ・カルボーネのフランチェスコ・モンキエロ氏をお迎えしてのワイン会が開催されました。あいにくの寒さの中、開始時間までにほぼ全員が集合されて、川頭さん達は”イタリアではありえない!(笑)”と驚かれていました。会場は”45(キャラントサンク)、最近広島に増えてきているワイン居酒屋(ビストロ?)というジャンルの一店です。
フランチェスコさん、かなり陽気な方です。最初にご挨拶からモンキエロ・カルボーネの歴史の話を始められたのですが、中々乾杯をするタイミングが見つからず、ジョバンナさんに促されて”サルーテ!”とやった時には、モスカートダスティは少しぬるくなっておりました(笑)。
少しワイナリーのお話を・・・
モンキエロ・カルヴォーネは父方の性(モンキエロ)と母方の性(カルボーネ)を合わせて名付けられています。元々モンキエロ家はレストランを営んでいましたが、そこで出すためにワインを造り出した所、そっちの方が評判となり(笑)、ワイナリーとなったそうです。カルボーネ家は代々農家で主に果物を栽培していました。フランチェスコの父親マルコ氏は著名な醸造家でしたが、1990年代初頭、ロエロのカナレに戻り、本格的にワイナリーを立ち上げました。フランチェスコ氏も醸造家として将来を嘱望されており、近年注目されているロエロという地域性もあり、現在注目されているワイナリーの一つです。
乾杯の後はグラスに合わせて料理が運ばれ、新しいグラスが来るとフランチェスコ氏がワインの説明という流れで進んで行きました。そして、時折CMとして(笑)、インポーターの
アルトリヴェッロの伊東社長がプチ宣伝&豆知識を披露され、会は和やかに進んで行きました。
お料理ですが、意外(失礼!)としっかり造られておりびっくりしました。事前に訪問できず、ネットで情報を拾った感じでは、もっとチープだと想像していましたので。聞けば、広島に来ながら広島を全く観光できないフランチェスコ氏のために、シェフ達が
広島を感じさせてあげようと色々工夫されたようです。こういうおもてなしの心が届くと、料理も美味しく感じますし、場の雰囲気も和みます。
前菜には小さなお好み焼きもどき(ソースは広島風)が付いておりました。
天然蛸のカルパッチョ 土佐香美トマト添え・フランチェスコ氏はトマトの方に感動されていました(笑)。
この店の売りのひとつであるサルティッチャ。
そして、お約束の牡蠣。赤にはちょっと難しかったか?(笑)
その他、びっくりするくらい大きな固まりででたラザニアや、鴨肉のソテーはワインによく合いました。
ワインは、何と7種類グラスで提供されました。提供された順番に、、、
1.モスカート・ダスティ・ソリルキン2007
私のワイン会でも何度もお口直しや〆で提供したことのあるワイン。甘口・微発砲ですが、このジャンルのワインにありがちな”べとつき”が殆ど感じられません。ワイン飲めない人も必ず”美味しい”と言ってくれること間違い無しです。私的に”使える”ワイン(笑)。
2.ランゲ・ビアンコ・タマルディ2008
この地区では比較的珍しい外来品種のワイン。シャルドネ70% ソービニオン30% 樽で別々に熟成後ブレンドされる。 1995年ファーストリリース当時、こんなワインはランゲでは珍しかったため皆たまげて、
TAMARDI(ピエモンテの方言で”たまげた”の意(爆))という名前にしたそう。”飲んでみてびっくり” という意味もあるとのことです。特徴はキレのある酸、本当にキモチヨイ酸味です。
3.チェク(デッラ・ビオンダ)・ロエロ・アルネイス2008
泣く子も黙るアルネイスの最高峰。色々アルネイスを飲み比べてみましたが、これが最上ではないでしょうか?土壌は砂地で、それにより香り豊かなワインになるとのこと。ちなみに
チェク・デッラ・ビオンダとは”金髪の人 フランチェスコ”という意味で、フランチェスコ氏の祖父のあだ名だったそうです。およそ食事を選びそうに無いワイン。
完璧!
4.ランゲ・ネッビオーロ・レグレット2007
今回一番
”タマルディ”なワイン(笑)。若い樹齢で早く飲めるものを、というコンセプトで作られました。ステンレス仕立てのまっとうなネッビオーロ。川頭さん的には”ロッソ・イブリオ”のイメージだということですが、私もそう感じました。”軽い”感じも確かにありますが、ストラクチャーがしっかりしているので、これは正統派のネッビオーロです。巷に多い”薄い・渋い”ネッビオーロ達とは一線を画します、素晴らしい! 是非これを飲んで勉強して下さい。ちなみにレグレットとは、ピエモンテ方言で”残念”の意。
5.ロエロ・スルゥ2006 6.同2007
ネッビオーロを樽で丹念に仕込んだワイン。スルゥは代表的な畑の名前で土壌は砂地、従って香り豊かなのが特徴です。4に比べてタンニンが非常にきめ細かく、06は熟成が長い分まろやかでエレガント。逆に2007は、暑いビンテージで直ぐに飲めてタンニンも開いているとのことでした。
7.ロエロ・レゼルヴァ・プリンティ2006
ロエロDOCGを代表するワイン。レゼルヴァ表記なので熟成は一年長い。一番の違いは、土壌が砂地ではなく石灰質で、どちらかと言えばバローロに近いとのこと。タンニンはまだまだ若いですが、時間を置くと香りが開いてきて凄みのあるワインに変貌します。バローロよりバルバレスコに近い感じでしょうか?プリンティの由来は、畑を持っていた人のあだ名が”皇太子”だったとかなかったとか、、、、よく覚えていません。ただ言えることは、こちらのワイナリー、かなりの確率でワインの名前の由来は
”あだ名”です(笑)。
なんやかんやで宴は3時間続きました。嬉しかったのは、今回こちらのブログをみて参加された方が数名いらっしゃったことです。お話もさせて頂きました。こうやってワイン繋がりで人の和が広がっていくことはこの上ない喜びです。
そして、色々準備や当日の会の進行を仕切られた三友さん、本当にお疲れ様でした。やはり、このお店でやって良かったですね!
二次会は、、、無いと思っていたのですが、フランチェスコ氏が
”オサケ ノミタイデス(笑)” とのことで知り合いのお店
”ゆすら” へ。閉店まじかだったのを強引に開けてもらい、貸切状態にさせて頂き感謝です。
この店は実はTさまも常連です(笑)。ちょうど時期的に新酒が多いこともあり、広島の地酒 冨久長や華鳩、Tさま持込の青森の銘酒・田酒の生新酒”外ヶ濱”を堪能して頂きました。”もう食べれない”といいながら、氷見うどんや鹿児島豚、おでんに舌鼓を打つフランチェスコ氏はステキでした(笑)。川頭さん・ジョバンナさん、そして伊東氏、本当にお疲れ様です。広島までお越し頂き有難うございました。このツアーが大成功に終了することを祈念しております。